失敗事例をもっと見たい、という声が寄せられていたので、
今回は自身の失敗事例を紹介します。
はじめに断っておきますが、失敗の原因はすべて自身の「怠慢」にあります。
サイトが新たに目指すべき方向性を見いださず、放置していたことが失敗の原因です。
紹介するのもどうかな、と思いつつ・・・
サイト売買に馴染みのない方の参考になれば幸いです。
通常は秘密保持契約のため、サイト公開できませんが、今回は売主から承諾を得ました。
購入サイトのご紹介
早速、購入したサイトを紹介します。
「ホームページビルダーの達人」
http://www.homepagebuilder.org/
ホームページの人気作成ソフト「ホームページビルダー」の使い方を説明しているサイトです。
DVDとストリーミングで講座動画を販売しています。
購入条件は以下のとおり。
売買価格:200万円
売買手数料:6万円(仲介会社に対する報酬)
印紙代:2,000円 (契約書に塗付する印紙代)
サイトの利益:約10万円/月 (売買時点の月々の利益額)
総額で206万2,000円になります。
売買価格がサイト収益の2年弱分あり、相場よりは高めです。
購入後、2017年1月7日までの経過です。
「物販」は、このサイトの独自商品である講座動画の売上。
「アフィリ」はサイト内で紹介しているレンタルサーバーなどのアフィリエイト報酬です。
黄色で網掛けした過去データは取得できませんでした。
「その他」はその他の雑多な広告報酬で、「小計」が月ごとの合計値です。
全期間の売上は1,916,742円です。
これに対して、サーバー代、ドメイン代、ショッピングカート代が合計で10万円弱になります。
その他の細かい経費を無視すると、180万円ほどが手元に残ったことになります。
購入価格と比べると26万円ほどマイナスですが、
上表の黄色の網掛け部分(データが取得できなかった部分)を加味すると、
当初はアフィリエイト報酬が多少発生していたので、恐らくトントンといった感じです。
売買代金を2年ほどで回収するはずでしたが、
4年超かかっており、何とも情けない結果です。
なぜ回収に時間がかかったのか?
なぜ当初の予定よりも回収に時間がかかったのか?
これについては、上表のオレンジ色部分を見てもらいたいのですが、
2013年5月あたりを境に、売上が落ちています。
なぜかというと、キーワード「ホームページビルダー」での検索順位が
3位付近から10位近くまで下落したためです。
これにともなって、下図の赤線(2013年5月)以降、アクセスも激減しました。
なぜ、順位が下落したのか?
これはGoogleのアルゴリズム次第なので、明確な理由は分かりません。
・・・が、少なくとも購入後、記事の更新を一切していなかったので、
落ちるべくして落ちたというところです。
このサイトは運営歴が長く、売主も長らくメンテせず上位表示をキープしてきた、
と事前にヒアリングしていました。(実際は、微細な更新をしていたようでした。)
当時、サイトのメンテナンスに割ける時間がなく、
放置に耐えられそうなサイトを探していたところだったので、
このサイトの購入を決意しました。
購入後、このサイトを使って何をしようか、のんびり考えていました。
少なくとも講座動画を販売しているだけでは、
月の収益はせいぜい10~20万円程度で、
複数サイト運営している立場からすると、
少なくとも月に50~100万円程度を稼いでくれないと、
管理する手間の方がネックです。
そこで、
・SEOコンサルを新たなサービスとして付け加える
・これからサイトを立ち上げる個人事業主や中小企業の人を対象に、セミナーを開催する
などはどうだろうか?といった感じで、
収益が跳ね上がる方法はないか考えていました。
後者は、顧客リストを調べると、
歯医者や整骨院など、何らかのリアルビジネスをしている人が大多数だったからです。
こういった類のサイトを起点に、セミナービジネスを展開し、
年間数千万円を生み出している知人が周囲にいたので、
セミナー系がおそらく最も有望なのかなぁ、と考えてはいました。
しかし、自分自身、そこに情熱がわかず、
気付けばアクセスがいっきに減少していたという・・・
冒頭で触れたとおり、自身の「怠慢」が根本的な原因ですが、
強いていえば、ビッグワードに依存したサイトは、
崩れる時は、あっという間に崩れることが見て取れます。
ただ、「ホームページビルダー」で検索して40位付近まで低迷したこともありましたが、
直近では、また1ページ目に戻ってきています。
新しいバージョンのホームページビルダーにも対応するようコンテンツを最新化すれば、
月額10万~20万円程度までは復活できるかと思います。
(相変わらずその先の絵を描いていないので、結局、手を付けないのですが・・・)
ちなみに、このサイトの売主とは、同じ福岡在住ということもあり、
毎月のように会って情報交換していました。
セミナー参加や人と会うために、一緒に東京に行くことも何回かありました。
売主は、ウェブだけでなく、不動産や株式投資、太陽光発電などにも取り組んでいて、
商売人としての心構えなど含め、学ぶところが多くありました。
今では会社組織を大きくして別世界にいかれたので、あまり会うことはありませんが、
サイト売買では売主(買主)との交流で得られるものも多いです。
最後に、サイトを購入する際にどういったジャンルを選べばよいのか、
個人的な見解を述べます。
サイトを購入するのなら、どのジャンルがおすすめ?
中級者以上の方には既知の内容かと思いますが、
サイトを購入するときも、新たにサイトを立ち上げるときと同じように、
ジャンルを慎重に選ぶ必要があります。
それは、一言でいえば、
・廃れることなく、
・収益性が高く(あるいは伸びることが期待でき)、
・さらに自身の強みが発揮できる
分野です。
1つ目は、「廃れない」ことです。
サイトを購入するのであれば、できるだけ長くお金を生み続けて欲しいものです。
そのためには普遍的なテーマを扱うことが重要です。
例えば、「転職」や「クレジットカード」、「債務整理」などです。
10年、20年経っても、今と同じように、このようなニーズ・商品は存在しつづけます。
一方で、「ポケモン」など一時的に流行っているものを扱うサイトは危険です。
2つ目は、「収益性が高い(あるいは伸びることが期待できる)」ことです。
どのようなテーマであれ、集客に苦労するのは同じです。
であれば、より収益性が高いものを扱わないと、大きく稼ぐことはできません。
アフィリエイトでいえば、「脱毛」や「転職」、「クレジットカード」などが
月間1,000万円を超える可能性がある分野ですね。
3つ目は、「自身の強みが発揮できる」ことです。
例えば、転職経験がある薬剤師が、薬剤師の転職に関わるサイトを立ち上げれば、
説得力のあるコンテンツを展開することができます。
といっても、必ずしも自身の専門分野が稼げる分野とは限らないので、
稼げない場合は周辺分野を開拓したり、
稼げる分野の知識をもった人を引っ張ってくる必要があります。
残念ながら、今回紹介したサイトは、これらの条件を満たしていません。
・廃れない → ×
(ホームページ作成ソフトはビルダーより使い勝手のよいものが次から次にリリースされます)
・収益性が高い → △
(単価は悪くないのですが、講座動画を随時改訂する必要があるので、手間がかかります)
・自身の強みが発揮できる → 〇
(SE出身の自分にとって、ビルダーはおもちゃ感覚で扱うことができます)
慎重にジャンルを選定しないと、
この事例のように中途半端な結果になりますのでご注意ください。
ただ、これら全ての条件を満たしたサイトの売買価格は、相応の価格になります。
初心者の方は、低い収益性を許容するなど、どこかで妥協点をみつける必要があります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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