「マーケターZさんはサイト売買以外何してるの?」
と聞かれることも多いので、今回は、自己紹介がてら、自分が初めて作成したサイトを公開します。
儲からないサイト売買仲介業ばかりに時間をかけているので不思議に思われてますが、サイト売買Z以外にも20サイト近く運営しています。
他社サービスとして運営しているサイトもありますので、自社サービスをお披露目します。ちなみにこのサービスはすでにピークを越えておりますので、いたわりの目(?)でご覧ください。
パソコンの一括査定サービスを作ってみた
初めて作成したサイトはこちらのサイトです。
パソコンを売りたい人が複数の買取店に見積もりを依頼できるサービスです。
一括査定サービスは、今となっては、車やバイク、不動産などさまざまなジャンルであります。そのパソコン版です。
作成したのは2007年、もう10年前になります。これまで累計10万件ほど見積もりを依頼いただいています。
秋葉原にパソコンを売りにいったのがきっかけ
サイト作成当時は東京に住んでいました。確か結婚したばかりだったかと記憶しています。
結婚と同時に妻に通帳類をすべて召し上げられ、悲しきかな月額固定の小遣い制が始まりました。サラリーマンの宿命です。
当時、年収で600万程度はあったと思うので、決して生活に困ってたわけではありませんが・・・見栄をはって(?)、「小遣いは1万円で十分!」と宣言。
いま流行りの「仮想通貨」ならぬ「仮想貧乏」状態に陥りました。
しかしすぐに反省。
「このままではやっていけない・・・飲みにもいけない。。」
そのとき手元にあったのは学生時代から使っていたおんぼろパソコン。30分使うだけで発熱し、タッチパッドに触れているのも不快なほど。
「このパソコンの代わりに新しいパソコンを買って、何とかこの状況から脱出しないと・・・」
「パソコンさえあれば何かサービスを作れるかもしれない・・・」
このときは漠然と、農機具を会員間で売り買いするサービスを作ろうと思っていました。
当時システムエンジニアとして働いており、プログラミングを習得しなければいけない事情もあり、まずは新しいパソコンを購入することにしました。
ただ、元手がなく・・・妻から20万円ほど「借金」して、いざ秋葉原に。
ついでに、新しいパソコンを購入する元手の足しにしようと、おんぼろパソコンも抱えていきました。
そして、おんぼろパソコンを秋葉原のいくつかのパソコン買取店に持ち込んでみたところ、買取店によって査定額が全く違って、高いところと低いところで確か1万円ほど差がありました。
「ん・・・!?なんでこんなに買取価格が違うんだ??」
「この違いを知ることって一般の人にとって意味があることだなぁ・・・ということは、これが商売になる!」
早速、家に帰ってネットで調べてみると、当時はパソコンの買取価格を比較できるサイトはなく、一括査定サイトといえば車のジャンルで数サイトある程度でした。
ニーズは確実にあるはずという直感にしたがって、あとはサイトを作成。
同時に、いろんな買取店に、
「無料でいいから、自分が代わりにお客さんを集めるよ」
と声をかけて、提携していきました。
ここらへんのノウハウは別記事に書いていますので、そちらをご覧ください。
https://www.site-z.com/entry/?p=14
いずれにせよ、会社員という立場で、副業は許可制だったので、業になるかどうかすら分からないものを始めるにあたって、無料でスタートすることは自分にとっても買取店にとっても理想でした。
買取店にとっては、どこの誰かよくわからない個人相手に、始めからお金を払うということは考えられなかったでしょう。
事業のライフサイクルとともに10年
その後、どうなったか?
こちら「パソコン 買取」のキーワードでの検索順位です。順位測定し始めたのがしばらくたってからなので、途中からのデータになります。
あーでもない、こーでもない、とサイトをいじった結果、いつしか上位表示されるようになり、1位表示されることもしばしば。
ここ何年かは検索結果がローカライズ化されたこともあり、地元の買取店が上位表示され、検索順位は踊っています。
こちらが実際に一括査定の申し込み件数になります。
はじめの数年はデータを載せていませんが、単純にくすぶっていました。
上位表示と連動して査定依頼がくるようになり、WindowsXPのサポート切れによる買い替えラッシュをピークに、パソコンを買取にだす人は減少。ここ数年は下降する一方です。
特に言い訳するつもりはありませんが、これは時代の流れでもあるかと。スマホの登場により、一般の人がパソコンを使う機会は激減しました。
一つの事業のライフサイクルが5~10年程度と考えれば、このサイトもその期間をほぼ全うする(した?)ことになるでしょう。
実はこのサイトを立ち上げた当初から仲良くさせて頂いていた買取店の社長さんから、「パソコンを買い取って売る」というビジネスモデルはもうすぐ崩壊する、とアドバイスをもらっていました。
実際にこの10年、いろんな買取店が現れては撤退し、買取をメイン事業としておこなっている法人は今はもうほとんど存在しないと思います。
いま提携している買取店の方々も、他に核となる事業等があって、その傍らで買取をしている感じなので、先を見越して多角化をして生き残られてきています。
10年前に誰もスマホがここまで普及するとは予期していなかったと思いますが、スマホの爆発的な普及により中古パソコン市場は大きな影響を受けたのは間違いありません。
もし、この買取店の社長さんからのアドバイスを聞かずに、このサイトだけを運営していたら、自分も大きな痛手を負ったことでしょう。
なお、このサービスは途中から件数に応じた有料課金制度を導入するとともに、会社員の自分は身を引いて、運営もろもろを妻に譲渡しました。その後、会社を辞めるとともに、また自分で運営しています。
いまとなっては決して大きな金額ではありませんが、会社員を辞める段階で、それなりの収益を毎月もたらしてくれていたので経済的にも精神的にも助かりました。
ライバル不在を謳歌する
この10年間、このサービスに対抗するサイトは現れてきませんでした。
一度、このサイトに掲載していた買取店が同じサービスを作ろうと、サイトを立ち上げましたが、結局うまく立ち上げられずに散っていきました。
結果として、誰にも邪魔されることなく、10年間、このサービスを継続することができました。常に競合がいる状態で戦うことを余儀なくされるアフィリエイトとは異なる部分かと思います。
ライバルが多数うごめいているところには入っていかず、誰もいないところに自分の場所を作ったわけです。
昔、ソフトバンクの孫さんが携帯事業に参入するとき、
「何万軒もあるそば屋のトップになるのと三社しかない携帯電話のトップになるのと、どちらが難しいと思う?」
みたいなことを言ってました。
スケールが全くもって違うので、孫さんの言葉を引き合いに出すなと怒られそうですが、考え方としてはそういうことです。
どうやってライバルをやっつけるか、ライバルとどう差別化するか、ということを考えるのでなく、いかにしてライバルがいないところを探すか、ということに当時は注力していました。
このサービスは、たまたま秋葉原を歩いていたら見つけた程度のものですが、生活の中でちょっと困ったことや疑問に思ったことを解決するものが、商売に結び付くのだと思います。
いまは・・・
これまでライバル不在の場を求めていましたが、ここ何年かはライバルがいても、自分が興味をもつ分野に飛び込むようになりました。
昨年始めたサイト売買の仲介サービス「サイト売買Z」も、参入時点ですでに何社かがしのぎを削っている状態でしたが、「オモシロそうだからやってみたいなぁ」と常々思っていたので、参入しました。
いまでは上位数社の背中がみえてきているので、これからが楽しみです。
立ち上げの経緯は別記事に書いていますので、ご興味ある方はどうぞ。
https://www.site-z.com/entry/?p=307
参考までに
この記事を読んで一括査定サービスを作ってみたいと思われる稀有な方もいるかもしれません。
一言アドバイスしておきます。それは、
「扱う商材の単価はとにかく高く!できれば単価が100万円を超えるようなもので」
ということです。だいたいこの条件に合致するものは大手がおさえていますが、まだまだ隙間はあります。
例えば、骨董品や、ブランド品のなかでも高級ブランド(ハイブランド)に特化した一括査定など。まだ誰も開拓していないと思います。
「なぜ自分でやらずにネタばらしするの?」と疑問に思われるかもしれません。
その答えは、自分は一括査定サービスを新たに作ることにもう心が躍らないからです。おもしろそうと思うかどうか、ワクワクするかどうかが、いまの自分の行動基準になっています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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